こんにちは。ナンドーです。
このブログでは、自分の実体験をもとに色々役に立つ情報や雑記を記載していきます。
本日のテーマは「ハロウィンの夜に。絵本『えんとつ町のプペル』について」です。
皆さん、『えんとつ町のプペル』を知っておられますでしょうか。
キングコングの西野亮廣さんが書かれた絵本です。
元々2016年に発売されたのですが、今年映画化される、ということで
オンライン上では結構話題になっています。

この絵本その内容ではなく
色々な手法でPRされたことから、各メディアで物議を醸しだした背景があります。
本日はそんな絵本『えんとつ町のプペル』について紹介します。
本自体のストーリーの紹介を。
4000メートルの崖にかこまれ、そとの世界を知らない町がありました。
煙突だらけの『えんとつ町』では、そこかしこから煙が上がり、頭の上はモックモク。
黒い煙でモックモク。
黒い煙に覆われた『えんとつ町』の住人は、
青い空を知りやしない。
輝く星を知りやしない。
そんな町でハロウィンの夜に出会った
煙突掃除屋のルビッチと、ゴミから生まれたゴミ人間のプペル。
この2人に起こる奇跡の物語…
こんな感じです。
かなりファンタジックな感じです。
現在、表紙のカバーは映画仕様になっており
通常版とは違う様式になっています。
カバーを外すと通常版の表紙になっているので
ちょっとお得な感じです。
「大人も子供も楽しめる作品」というのはよく聞きますが
この作品は「大人と子供で楽しみ方が変わる作品」だと思います。
一度読んでみれば、子供はその読みやすいストーリーとキラキラした絵に
大人は非常に繊細な絵とストーリーの裏に隠された背景に
気付くと思います。
なぜプペルは「ゴミ人間」なのか?
プペルと遊んでいるルビッチはなぜ否定されるのか?
この辺を考えながら見ると非常に深い設定があるのがわかって面白いです。
この『えんとつ町のプペル』が普通の絵本と違っているところは主に3点です。
2.1 絵本を無料公開
以前にこのブログでも紹介しましたが
この絵本はその内容が全編無料公開されています。
文字だけではなく、もちろん挿絵も全部です。

これをしたことにより、業界内からは批判の声が上がりました。
なぜか、というともちろん「絵本を無料で全編公開したら絵本が売れなくなるだろ!」というものです。
それでもこれをやった理由を西野さんは下記のように示されています。
僕だけでなく、この作品に携わっているスタッフは、この絵本の売り上げで生活をしているからです。
ただ一方で、「2000円の絵本は、子供が、子供の意思で手を出すことができない」という声も耳にしました。たしかに、2000円は決して安くない値段です。
僕は子供に届けたいと思うけれど、「お金」という理由だけで、受け取りたくても受け取れない子がいる事実。だったらいっそのこと、「お金なんて取っ払ってしまおう」と思いました。
『えんとつ町のプペル』を、お金を出して買いたい人は買って
無料で読みたい人は無料で読める絵本にしてしまおう、と。せっかく生んだ作品も、お客さんの手に届かないと、生まれたことにはなりません。
10万部《売れる》ことよりも、1000万人が《知っている》ことの方が、はるかに価値があると僕は考えます。(新R25公開ページより抜粋)
実際この手法をとった、この絵本はどれだけ売れたかご存じでしょうか?
普通、5,000部売れれば大ヒットと呼ばれている絵本業界で
この絵本は、2020年10月現在50万部売れたそうです。
そうなったメカニズムは下記。
②その結果、本屋に並べるよりも多くの人に内容を知ってもらうことができる
③無料公開なので、それをいいと思った人がSNS等に拡散し、さらに多くの人に認知される
④実際の冊子で見たいと思った人や、支援する人が本物の絵本を買う
⑤内容を知っている人が多いので、相対的に買ってくれる人も多くなる
いわれてみれば「なるほどー」と思えるけど、実際にこんな手法をやるって無理ですよね。
2.2 絵の書き込み量が半端無い
普通、絵本の絵ってシンプルなものが多いと思います。
例えばこんなんとか。
でも『えんとつ町のプペル』は冒頭からというか表紙から非常に細かく書き込まれた絵になっています。
これは当初、出版社者の方や、他の同業者の方からこのように言われたそうです。
普通の絵本というとこんな感じ。
それに対して『えんとつ町のプペル』はこれ。
違いすぎ。
これは多分「情報量が多すぎると子供は処理しきれない」というような
考えなのだと思います。
でも本当にそうでしょうか?
スタジオジブリの作品はあれだけ繊細に書き込まれていますが
子供もちゃんと見ています。

それはジブリだから…
これでは理屈が成り立ちません。
「書き込み量が多い」=「子供は見ない」は
これまでなかったものに対する拒否感から大人が勝手に考えたものなのだと思います。
実際、自分の子供は普通に見ていました。
変な先入観を持つ必要は無いです。
2.3 絵本の製作過程を公開した
通常、発売前の製作物は製作者サイドの中で秘密裏に扱われており
その情報は決して外に出したりしません。
そしていざ発売されてから世間に公表されます。
しかし、この絵本は構想の段階から
どんなストーリーか、どんな設定か、どんな登場人物かといったことを
最初からSNS等で発表していたそうです。

そうすることで、クラウドファンディングで絵本製作にかかわる出資を募り
賛同者を増やしていったのだそう。
そうやっていざ発売したら、その作品そのものを製作していなかったとしても
「自分も出資して協力したものが完成した」という喜びから
出資した人が購入し、情報を拡散し、さらに多くの人に届くようになる
という仕組みを作ったのだそうです。
売上云々は後回しにして
とにかく人に広く知ってもらうことを優先し
そこから買ってくれる人を見つけていく。
市場ニーズに合せるのではなく、自分の作りたい作品を貫き
その魅力に気付いた人がさらに多くの人に広げていく。
本日は「ハロウィンの夜に。絵本『えんとつ町のプペル』について」を書きました。
絵本を机の上に置いておいたら長男が興味を持って読んでいました。
「感想は?」と聞いたら「感動してちょっと泣きそうになった」といっていました。
子供でもやっぱりいいものはいい、とわかるのだと思います。
まずはWebで無料のものを見ていただき、現物で見たい、と思ったら
購入されるのがいいと思います。
見て絶対損は無いと思います。
10分あれば読めますので、誰でも1回は見ていただきたいと思います。

購入はこちらからできます。
映画の予告編もカッコいいので興味を持たれた方は是非!
2020年12月25日公開です。

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それでは、今日も一日ご安全に!
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