こんにちは。ナンドーです。
このブログでは、自分の実体験をもとに色々役に立つ情報や雑記を記載していきます。
本日のテーマは「不可能を可能にした。『フェルマーの最終定理』(サイモン・シン)について」です。
皆さん、高校くらいの時に数学の証明ってありませんでしたか?
「○○が真であれば△△が成り立つ」みたいなやつです。
あれが得意な人ってあんまりいなかった気がします。
自分自身も苦手だった記憶しかないです。
今回紹介する『フェルマーの最終定理』は
タイトルの通り『フェルマーの最終定理』という数論にスポットを当て
この数論を証明しようとした数学者たちと
実際に証明した人物の苦労と葛藤を描いたノンフィクション作品です。
こう聞くと

いっぱい数式が出てきても理解できない!
こう思われるかもしれません。
でも安心してください。
難しい数式は読み飛ばして大丈夫です!
単純にストーリーだけ見ていても十分楽しめます。
なぜなら自分も数式自体は全然わからなかったからです(笑)
非常に読み応えのある本なのですが、とにかく長い!!
手っ取り早く内容を知りたいというせっかち大臣の方は
下記リンクより「中田敦彦のYouTube大学」をご覧ください。
これだけでもメチャクチャ面白いです。

※ここでも数式はほとんど説明されていません
『フェルマーの最終定理』とは、フランスの裁判官ピエール・ド・フェルマーが
提唱した定理のひとつです。

え?裁判官なの?数学者じゃなくて?
こう思われるかもしれません。
そう、フェルマーは数学者ではなく裁判官なのです。
数学は趣味でやっていたのだそうです。
そんな彼でも提唱した定理がこちら。
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このたった3行の定理です。
何となく何を言っているのかは理解できますよね。
この式に似た式を皆さん見たことがあるのではないでしょうか?
このような式です。
そう、ピタゴラスの定理です。
直角三角形の短辺(a,b)の2乗の和は、長辺cの2乗に等しい、という式です。
例を挙げると
32 + 42 = 52
このような美しい形の式です。
つまりフェルマーの最終定理は
x3 + y3 = z3
x4 + y4 = z4
…
と、この先ずっとこの自然数の解が存在しない、ということを
言っているというわけです。
ここで

ふーん、そうなんだ
と片付けてしまえばそれまでなのです。
でもちょっと不思議に思いませんか?

本当に1個も無いの?
実はかなり惜しい答えはあったりします。
例として
216+512=729-1 ※1だけ足りない
ここまで近いのがあるのに、絶対に成立しない、という不思議。
だったら「まず存在し得る可能性は極限まで低い」とかもでいいのでは?
と思うのが人情です。
しかし、ここで出てくるのが数学の定理に関する原則です。
数学というのは「たった一個でも例外があってはダメ」なのです。
例としてこのような問題があります。
この式を満たす自然数の解 (x, y, z, w) は存在しない
これはオイラー予想といわれる式です。
フェルマーの最終定理に似た上に、もう一個変数が足されています。

2つで成立しないんだから、この式なんて絶対無理でしょ
という感じがプンプンします。
しかしこの式には解があることがわかっています。
それがこちら
もはやどうやって求めるのかわかりません(泣)
つまり、オイラー予想は間違っていた、ということが分かったのです。
成立するかしないか、まだ証明されていない式は
定理ではなく「予想」と呼ばれます。
(証明はできてないけど、おそらく間違いないだろう、ということ)
数学者たちは、このように後から「予想」が崩されることを
非常に恐れています。
なぜなら、「予想」は「まず成立する前提」として考えられているので
「○○予想が成立するならば~」という論文がいっぱいあったりするからです。
「定理」は「もう証明がされており、1個の例外もなく絶対に覆ることは無い」
というものです。
しかし、フェルマーの最終定理はnが無限にあります。
なので、この証明を行うのはとてつもなくハードルが高い、というわけです。
ここまででかなり疲れた…。
本書の全体のストーリーはこんな感じ。
趣味とはいいながら、彼はずば抜けた数学の才能を持っていた。
彼は自分の考えた定理を他の数学者に提唱し
「その定理を証明させる」ということをよく行っていた。しかし、その定理は非常に難解であり、彼は数学者たちが
自分の考えた定理の証明に悩む姿を見て楽しむ、という
非常にひねくれた性格を持っていた。もちろん、フェルマーは自分の考えた定理に関しての
証明を自分で持っていた。
しかし、彼はそれをほんのちょっとしか書かず
証明の全体を書き残さなかった。彼は本の余白に、自分の考えたたくさんの定理を書き残していた。
彼の死後、その定理が書かれた本が出版され
数学者たちはその定理をひとつひとつ証明していった。しかしたったひとつだけ誰も証明できない定理が残った。
それが「フェルマーの最終定理」である。彼はこの定理の下にこのように書き残していた。
「私はこの命題に真に驚くべき証明を持っているが
余白が狭すぎるのでここに記すことはできない」
マジかい…。
誰も証明することができぬまま時は過ぎていった…。そして350年後。
図書館で見つけた本の中に、「フェルマーの最終定理」を発見した少年は
自分がこの定理を証明してみせると心に決めた。この少年こそが「フェルマーの最終定理」を証明した
アンドリュー・ワイルズである。彼はどのようにしてこのフェルマーの最終定理を証明したのか?
そして証明を発表したワイルズに訪れる最大の試練とは…?
完全なノンフィクションなのですが、映画みたいなストーリーですよね。
しかもこの構図、あの有名な漫画に似ていると思いませんか?
世界の必ずどこかにあるという伝説の秘宝。
「欲しけりゃ探してみろ」と言い残し、死んでいった伝説の海賊。
数多の海賊がそれを探し求めた旅に出たが
誰もそこにたどり着いたものはいない。
そんな中、ある少年は立ち上がりその宝を求めて旅に出る。
「○○王に俺はなる!」
そう、 ONE PIECE です。
まさにファンタジー。
しかし、これだけではありません。
自分はもう一つ違う漫画が浮かんだシーンがありました。
それは本書のメイン。
1993年にワイルズがケンブリッジ大学で「フェルマーの最終定理」の
証明を講演するシーンです。
本書でも最初の方は数学の定理とか式とかが出てくるのですが
後半になるにつれ、とワイルズが証明に用いている理論の内容が高度過ぎため
理論の名称だけ出てきて、その内容が説明されなくなってきます(笑)
でもワイルズの講演のシーンでは、その定理がわからなくても
会場の緊張感、期待感、興奮といったものが伝わってきます。
そして最後の証明を終えたワイルズの言葉
「ここで終わりにしたいと思います」
そういった後の会場から湧き上がる喝采…。
これを読んで自分が感じたのは音楽を描く漫画でした。
絵から当然音は聴こえてきません。
「演奏する曲は○○」「え!?あの曲を!?」とか言ってるけど
実際は聴いたことないし、よくわからない(笑)
それでも読んでいくと、会場の雰囲気や緊張感は伝わってくるし
演奏者たちのハーモニーや、空気感も感じ取ることができます。
そう、自分が感じたのは「のだめカンタービレ」を読んでいる感覚でした。
千秋先輩!!
この本は「ONE PIECE」のストーリーで
「のだめカンタービレ」のような世界観を表現した
エンターテイメント作品と思って読んでいただければ
楽しめると思います。
恍惚と絶望も有。
長くなりすぎたので、今日は「ここで終わりにしたいと思います」
後半の内容についてはまた次回!
本の購入はこちらから。
それでは今日も一日ご安全に!
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